ヨガの呼吸法「ナウリ」とは?実際のやり方から効果、気を付けるべきポイントまでまとめて解説

ナウリはヨガの呼吸法のひとつです。ナウリには様々な効果があり、ナウリの呼吸法を覚えておくだけで日常生活の中などで実践して効果を出すこともできるのです。

この記事ではナウリの効果から方法、気を付けたいことを解説します。

ヨガの呼吸法「ナウリ」とは

インドの言葉で「うねり」という意味をもつナウリ。

ウディヤナバンダという、腹直筋(お腹の真ん中にある筋肉)を波打つように動かすことでエネルギーの流れを上昇させる呼吸法です。

ナウリを行うには、ウディヤナバンダが出来るようにならなければなりません。ウディヤナバンダを行うときは、胃や腸の中に何もない状態にしておく必要があります。

そのため普段からお腹いっぱい食事をするのではなく、食べ物・水・空気それぞれ1/3ずつの割合でお腹を満たすイメージであるのが望ましいとされています。

実際ナウリを行っている映像等を見ればわかるかと思いますが、もし胃や腸の中に食べ物などが残っているとウディヤナバンダは内臓を刺激する動きなので、消化中の食べ物が逆流してしまったり、気持ち悪くなってしまうので注意しましょう。

ナウリは片岡鶴太郎さんが行っていることで話題になっていますので、実際に参考にしてみるのもおすすめです。

ナウリの効果


ナウリ行うことで得られる効果は3つあります。「便秘改善」、「消化改善」、「体幹の安定」です。

ナウリは腹直筋や、胃や腸などの内臓を動かすので消化不良や肝臓疾患など効果的なのです。

腹直筋を動かすことで腹部のガスを排出し、便秘を解消してくれます。

また胃腸が活発に動くようになることで、食事で摂取したものがきちんと吸収されるようになります。

筋力がアップすることで血流がよくなり、体幹が安定して手足など末端の冷えも改善されますし、体幹が鍛えられることで骨盤や腰回りの筋肉も自然と鍛えられます。

自分の体を筋肉でしっかり安定して固定することができるようになれば、ガードルやコルセットで補正する必要がなくなります。

ガードルやコルセットはその性質上、どうしてもきつく締めあげる必要があるのでむくみやすい方には向いていません。

むくむ原因はいくつかありますが、血液の循環がスムーズになればむくみも解消されるでしょう。

ナウリを行えば一連の悪循環のループを断ち切ることができますね。

ナウリの効果は身体的なものだけではありません。そして精神統一して行うことで自律神経の働きも整うようになり、情緒が安定することで安定した精神を保つことができるのです。

ヨガの呼吸の効果

ナウリは腹式呼吸をしながら行います。

ナウリに限らずヨガは腹式呼吸で行いますが、腹式呼吸をすることで血液の循環機能が改善され、また自律神経のバランスが整うという効果があります。

私たちは普段は無意識に肺呼吸をしていますが、腹式呼吸をすることで意識的にこの状態に自律神経のバランスをコントロールできるのです。

呼吸というのは、胸郭(背骨と胸骨の間のある肋骨で囲われた部分)の拡大や横隔膜の収縮によって大気との圧力差で肺が膨らみ、肺の中へ空気が流れ込んでいくことで行われています。

普段行っている肺呼吸では、胸郭を拡大することで肺へ空気を取り込んでいますが、腹式呼吸では横隔膜の収縮によって空気を取り込みます。

肺呼吸(胸郭の拡大)で動かせる肺の面積よりも、腹式呼吸(横隔膜の収縮)で動かせる肺の面積のほうが大きいため、より多くの空気が取り込め、そしてより多くの酸化炭素の排出ができるのです。

そのため肺呼吸時と比べて、必然的により多くの血液を循環させることができるのが腹式呼吸であり、ナウリを含めたヨガの特徴なのです。

より多くの空気の取り込みと排出ができるようになると、ゆっくり呼吸をする必要性がでてきます。

「ゆっくり息を吐く」という行為は副交感神経を優位にするのです。副交感神経が優位になると、カラダがリラックス状態になっていきます。

本来のヨガとは?

美容や健康はたまたダイエットにも効果的と言われているヨガは、近年多くの人が自宅でまたはヨガスタジオに通ってヨガを行っています。

一般的に女性が行うイメージがあるかと思いますが、男性でヨガに取り組む方も増えてきています。

なぜヨガは美容や健康やダイエットに良いとされているのでしょうか?

実はヨガとても歴史が古く、紀元前から行われていたと言われています。もともとは瞑想することで、自分を見つめなおすために行う哲学的な側面が強い宗教的なものでした。

それが12~13世紀の頃になると、瞑想に加え様々なポーズをとるようになり、長い歴史の中で現在我々が想像するような「美容や健康のためのもの」へと変化していったのです。

ヨガは解剖学や生理学に基づき、人を本来の状態に戻すために様々なポーズをとります。

本来の状態とは不規則な生活や過度なストレス、睡眠不足、同じ姿勢をずっと続けることで歪んでしまった姿勢などを改善しもとの健康な状態に戻すことを意味します。

自分は体が硬いからヨガはできないと思っている方もいますが、そんなことはありません。

それこそヨガを続けていくうちに体も柔らかくなり、本来の人間としての可動域まで動けるようになっていきます。

そうして元の状態に戻っていく過程で、筋肉が正しい動きをするようになり自然と脂肪が落ちていったり、ゆっくりとした呼吸を行うことでで自律神経のバランスが整い不安やストレスが解消されていくのです。

そんないいこと尽くしのヨガですが、やってはいけない人もいます。

腰痛持ちの方など体のどこかに不調がある、ケガしている人にはおすすめできません。持病のある方は医師に相談したうえで、様子をみつつ行うようにしましょう。

ナウリはどうやればいい?コツや練習法を解説

それではこれから、ナウリはどうやって練習したらいいのか、具体的にその方法をみていきましょう。

STEP1. 姿勢よく立つ

両足でしっかり立ちます。決して片方の足に体重をかけることなく、まっすぐ立ちましょう。

STEP2.ウディヤナバンダをする

胃に何も入っていない状態で行います。排泄も済ませられているとなおいいです。

少し前傾姿勢になり腰幅より少し大きく足を開き、両手は太ももをつかみます。そしてお腹をへこませて、おへそを背骨に寄せるイメージで横隔膜を引き上げます。

大きく息を吸ったらゆっくり全ての息を吐きだし、そこで息を止めます。この息を止めた状態で肘を伸ばして顎を引きましょう、目線はおへそです。

そうすると肋骨の下の部分がくっきり浮き出てくるはずです。

STEP3.ナウリをする

STEP2の横隔膜を引き上げた状態をキープできるようになったら、お腹の中央にある腹直筋を左右に動かしていきましょう。

コツは上体を少し左へ傾けながら腰は少し右へ傾ける、そうすると右側のお腹の力が抜けるので、腹直筋を右に動かすイメージがつきやすくなります。

左へ動かすときは上体や腰をすべて上記逆の方向へ動かしてください。左右へ動かせるようになれば、お腹全体を波立たせるように動かすことができるようになるはずです。

STEP4.浄化の呼吸法をする

浄化呼吸法は、完全にすべての息を肺から吐ききることに重きを置いた呼吸法です。横隔膜を動かすようにすべての息を吐ききります。
このとき吐き出す息と一緒に体の中に溜まった老廃物など不要なもの、さらに自分の中のネガティブな感情も一緒に出し切るイメージで息を吐きだします。

初めて挑戦する際はうまくできないと思いますが、そんなときはインストラクターに直接指導してもらうのもいいかもしれませんね。

ナウリを行うときに気を付けたいこと

これまでにもお話していますが、ヨガはどんな方にもおすすめですが、体に不調のある方にはおすすめできません。

そして特にナウリは、一般的なヨガに加えてできるタイミングが限られています。
以下に該当する場合はナウリを行うのは控えてください。

1.持病がある、特に心臓疾患や循環器系に疾患がある方

喘息や片頭痛持ちの方も、まずは医師と相談してください。
ナウリは本来体を浄化し、健康にしてくれますが、これらの方は症状が悪化してしまう恐れがあります。

2.胃の中に消化中の食べ物がある、空腹でない、排泄が済んでいない
ナウリは胃や腸に何もない状態で行うことを前提としたヨガです。そのため日中や夜よりも、朝起きたときにやることが良いといわれています。排泄も済ませておければなおいいでしょう。

そのほうが良い効果が得られやすいです。

無理して胃の中に消化中の食べ物があったり、空腹でない状態でナウリを行ってしまうと、効果が得られないだけでなく、気持ち悪くなったりしてしまいます。そういったときは無理せず中止しましょう。

まとめ

ナウリは誰にでもすぐにできるものではありません。腹直筋を動かすのは練習も必要ですし、また空腹時でないとできないなど条件もあります。

それでもお話しした通り、ナウリを行うことで得られる効果はたくさんあります。ストレスや睡眠不足などは現代社会で生きる上である程度避けられないものではありますが、ナウリなどのヨガを行えば、心も体も健康な状態をキープできます。