スクワットの正しい呼吸法を紹介します。正しい呼吸法でスクワットを行うと、下肢群だけではなく全身を鍛えることができます。
さらに正しい呼吸法でスクワットを行うと、消費カロリーも増加します。
正しい呼吸法で、スクワットの効果を高めましょう。
スクワットなど筋トレの最中、息を止めて力んでいませんか?スクワットは、息を止めて行なってはいけません。
スクワットには、正しい呼吸法があります。
正しい呼吸法を身につけることで、スクワットの効果が高まります。
さらに、正しい呼吸法を身につけることで、スクワットで全身を鍛えることができるのです。
ここでは、スクワットの正しい呼吸法を紹介します。間違った呼吸法や、間違った呼吸法で行うことによるデメリットも紹介しますので、スクワットを行うときの参考にしてください。
目次
スクワットでは正しい呼吸法が大切
スクワットは、正しいフォームで行うことも大切ですが、正しい呼吸法を取り入れることも大切です。
正しい呼吸法でスクワットを行うことによって、酸素がしっかりと体内に取り込まれ、運動のパフォーマンスが向上します。
ここでは、スクワットの正しい呼吸法と、スクワットの呼吸法において重要な腹圧について紹介します。
スクワットを行うときに腹圧を利用できると、腹部の強化が可能になります。
また、スクワットを行うときに腹圧を利用できると、怪我も防ぐことができるのです。
スクワットの呼吸法とは?
スクワットの正しい呼吸法を簡単に紹介します。スクワットでは、膝を曲げ、腰を落としていく動作のときに息を吸い、膝を伸ばしながら上体をもとに戻すときに息を吐くのが正しい呼吸法です。
筋トレの呼吸法の基本は、「筋肉が緩んでいるときに息を吸い、筋肉が緊張をするときに息を吐く」です。
スクワットの場合は、上体を元に戻すときに筋肉が緊張します。
そのため、腰を落としていくときに息を吸い、上体を元に戻すときに息を吐くのです。
スクワットでは腹圧が最重要
スクワットでは、腹圧が最重要です。なぜならば、スクワットは体幹を使うトレーニングだからです。
スクワットを行うと、「腰が痛い」と感じることはありませんか?スクワットを行う際に腰痛を感じる人は、腹圧がうまくかけられていないため、体幹をしっかりと利用できていない可能性があります。
では、正しい腹圧とは、どのようにかければよいのでしょうか?ポイントは、腹式呼吸です。
まず、腹式呼吸を意識して、横隔膜が下がるくらいに息を吸いましょう。息を吸い込みお腹が膨らんだら、腹筋に力を入れます。
腹部の内側からも外側からも力が加わり、体が安定していることを感じられるでしょう。
この状態が、正しく腹圧がかかっている状態です。正しく腹圧がかかっていると、体幹が安定します。
体幹が安定した状態でスクワットを行うと、背筋への負荷が減るため、腰痛を感じることが少なくなるのです。
スクワットにおいて、腹圧は怪我を防ぐために最重要だと言えます。
上手く腹圧をかけることが出来ない場合は、トレーニングベルトを利用してみましょう。
スクワットは呼吸法でさらに効果がアップする
スクワットは、カロリー消費の高い筋トレ法の一つです。
さらに、スクワットを正しい呼吸法を行うことで、カロリー消費のアップが期待できたり、上半身の強化も可能となったりします。
ここでは、スクワットを正しい呼吸法を行うことで得られる効果について紹介します。
アフターバーン効果
アフターバーン効果とは、運動後でもエネルギーを消費し続けている状態のことです。
高度なトレーニングや運動を行なった後は、乳酸が発生したり、筋肉が損傷したりします。
トレーニングや運動で発生した乳酸を除去するときや、筋肉の補修のときには、酸素が必要です。
この回復時にエネルギーを消費している現象を、アフターバーン効果といいます。
ただし、アフターバーン効果を得るためには、高負荷がかかるトレーニングが必要になります。
ウォーキングなどの軽い運動の場合、回復に時間を要しないため、運動後のエネルギー消費はあまり期待ができません。
しかしスクワットは、アフターバーン効果を期待できる筋トレの一つです。
スクワットでは、大腿四頭筋を鍛えることができます。大腿四頭筋は、一番大きな筋肉。
大きな筋肉を鍛えるスクワットは、アフターバーン効果が期待できるのです。
スクワットを正しい呼吸法で行った場合の効果
スクワットは、アフターバーン効果によってトレーニング後にもカロリー消費が期待できる筋トレ法の一つだということを紹介しました。
ここからは、正しい呼吸法でスクワットをすることによって得られる効果を紹介します。
スクワットは、下肢群を鍛えるためのトレーニングです。しかし、正しい呼吸法を取り入れることによって、スクワットで上半身も鍛えることが出来ます。
スクワットを正しい呼吸法で行なった場合の3つの効果について、見ていきましょう。
お腹が引き締まる
スクワットに正しい呼吸法を取り入れると、お腹が引き締まります。
スクワットの正しい呼吸法は、腹式呼吸であると先ほど紹介しました。腹式呼吸では、しっかりと息を吐き切るために腹筋に力が入りますね。
つまり、スクワットをするときに正しく呼吸が出来ていれば、腹筋も同時に鍛えられ、お腹が引き締まるのです。
脂肪燃焼効果が上がる
正しい呼吸法でスクワットを行うと、酸素消費量が増えるだけでなく、正しい姿勢のおかげで使われる筋肉が増えるため、脂肪燃焼効果が上がります。
また、トレーニングで脂肪燃焼効果が上がると、アフターバーン効果も高まります。
アフターバーン効果は、最大で72時間も続くのです。正しい呼吸法でスクワットを行うと、長時間エネルギーを消費し続けることができます。
インナーマッスルが鍛えられる
正しい呼吸法のスクワットは、腹圧を利用すると紹介しました。腹圧が正しくかかると、腹部の内側の筋肉を使います。
つまり、正しい呼吸法のスクワットでは、インナーマッスルを鍛えることができるのです。
また、正しい呼吸法のスクワットは、体幹を使うことも紹介しました。体幹を使うときにもインナーマッスルを使っています。
体幹を使った正しい呼吸法のスクワットは、インナーマッスルを鍛えることができるのです。
スクワットの呼吸法
ここからは、スクワットの呼吸法について、スクワットのフォームと合わせて紹介します。
呼吸のタイミング
スクワットの正しい呼吸のタイミングの前に、スクワットの正しいフォームについて確認していきましょう。
1.両足を肩幅に開き、真っ直ぐ前を向く
2.膝を曲げ、ゆっくりと腰を落とす
3.太ももと床が平行になるまで腰を落としたら、上体を元の位置に戻す
両足を肩幅に開いたときに、肩の力を抜いて息を吐きましょう。
スクワットの動作へ入る前に息を吐くことで、腰を落とすときに息を吸うための準備ができます。
肩の力を抜き、息を吐いたら、膝を曲げ腰を落としていきます。この時、鼻から息を吸いましょう。
太ももと床が平行になるまで腰を落としたら、膝を伸ばし上体を元に戻します。
ゆっくり膝を戻しながら、お腹に力を入れて息を吐いていきましょう。
全体を通して、ゆったりとしたリズムで呼吸を行います。
スクワットを行うときは、呼吸を止めないようにしましょう。
腰を落とすときに息を吸う
スクワットでは、膝を曲げ、腰を落とすときに息を吸います。腰を落とす動作は、筋肉が緩んでいる状態です。
筋肉が緩んでいる腰を落とす動作のときに、ゆっくりと息を吸い込みましょう。
太ももと床が平行になったときに、横隔膜が下がり、腹圧がしっかりかかっている状態がベストです。
正しい呼吸法でスクワットができていると、腰が落ちていても、体はぐらつきにくくなります。
スクワットでは、上体を元に戻すときに息を吐きます。息を吐くときには、腹筋を意識するとよいでしょう。
息を吐くときに腹筋を使うと、前述の通り、お腹の引き締めにもつながります。
お腹に力を入れることによって、息を吐き切ることにもつながります。息を吐き切らないことによるデメリットがありますので、後ほど紹介します。
腹式呼吸を意識する
前述の通り、スクワットでは胸式呼吸ではなく、腹式呼吸をします。息を吸うときには、腹式呼吸を意識して横隔膜をしっかりと下げましょう。
横隔膜が下がると腹圧が高まり、スクワットを行うときに体が安定します。
スクワットで腰を落としたときに、背中が曲がる場合や、体が安定しない場合は、腹圧がしっかりかかっていないのかもしれません。
スクワットを行うときには、姿勢と同時に、呼吸にも意識を向けてみましょう。
スクワットを行うときに腹式呼吸を意識することが難しい場合は、日常生活でも腹式呼吸を取り入れてみてください。
腹式呼吸は、椅子に座っているときや、横になっているときにもできる呼吸法です。
腹式呼吸は、リラックス効果も期待ができる呼吸法ですので、積極的に日常生活に取り入れていきましょう。
スクワットの呼吸でしてはいけないNGな呼吸法!
ここまでは、スクワットの正しい呼吸法と、正しい呼吸法によって得られる効果について紹介しました。
ここでからは、スクワットでしてはいけない呼吸法について見ていきましょう。
無呼吸
スクワットを行う際は、呼吸を止めてはいけません。スクワットに集中するあまり、呼吸が止まってしまう場合がありますが、呼吸が止まってしまうと体内の酸素が不足します。
筋トレは無酸素運動ですが、酸素が不要な運動ではありません。
無酸素運動とは、筋肉が酸素を利用せずに動いている運動のことです。酸素が不要な運動というわけではありません。
呼吸が止まってしまうと、身体は酸欠状態に陥ってしまいます。
スクワットなど筋トレをしていて、頭が痛くなったり、吐き気がしたりした経験はありませんか?その頭痛や吐き気の正体は、酸欠かもしれません。
スクワットをする際は、フォームだけではなく、呼吸も意識するようにしましょう。正しい呼吸法を意識することによって、酸欠も防ぐことができます。
吸った息を吐かない
「呼吸」というと、吸うことを重視しがちですが、実は吐くことの方が重要です。
吸った空気を吐ききらずに呼吸を続けると、体内に新しい空気が入りにくくなります。
吐き切らずに呼吸を続けた結果、体内の酸素が不足してしまうのです。
スクワットのときも同様で、しっかりと空気を吐き切ることが重要です。腹筋を意識して、吸った息を吐き切りましょう。正しい呼吸とともに、腹筋の強化につながります。
上体を戻している間に息を吐き切れない人は、腰を落とすときに空気を吸いすぎている可能性があります。吸った息を吐き切れない人は、吸い込む息の量を減らしてみましょう。
腹圧がしっかりとかかり、吐き切れる量の息を吸い込むことが大切です。常に新鮮な空気を体内に取り入れながら、スクワットをするとよいでしょう。
スクワットを間違った呼吸法で行うデメリット
スクワットを間違った呼吸法で行うことによって、デメリットが生まれます。
ここからは、間違った呼吸法で行う2点のデメリットについて見ていきましょう。
急激な血圧上昇
呼吸を止めて力むと、急激に血圧が上昇します。また、息を吐き切ることなく呼吸を続けると、酸欠になります。酸欠も、血圧上昇の原因の一つです。
酸欠に陥ると、体内に酸素を行き渡らせるために、血管内の圧力が高まります。血管内の圧力の上昇が、血圧の上昇です。急激な血圧上昇は、頭痛やめまいを起こします。
また急激な血圧上昇は、心不全や心筋梗塞など、最悪の場合死に至る危険性も否定できません。
血圧の上昇を抑えるために、正しい呼吸法で酸素をしっかりと取り込みましょう。また、スクワットをおこなっている最中に気分が悪くなった場合は、血圧が上昇している可能性もあります。
気分が悪くなった場合は、すぐにトレーニングを中止し、休息をとりましょう。
体内エネルギーの過剰な消費
スクワットを間違った呼吸法で行うと、体内の酸素が不足します。スクワットは無酸素運動ですが、スクワットを行なっているときにも他の身体の機能を保つために、体内では酸素を使用しています。
しかし、無呼吸や正しい呼吸法ができず体内の酸素が少なくなると、体内のエネルギーはあっという間になくなってしまいます。
体内のエネルギーが過剰に消費されエネルギー不足に陥ると、脳や心臓といった命に関わる臓器の機能が低下してしまいます。
臓器の機能が低下すると、身体を動かすことが難しくなり、怪我をしたり倒れてしまったりすることもあるのです。
身体の機能を正常に保つためにも、正しい呼吸法でスクワットを行いましょう。
まとめ
スクワットの正しい呼吸法について、紹介しました。スクワットは、太ももなどの下肢群を鍛える筋トレです。
しかし、スクワットに正しい呼吸法を取り入れることで、下肢群だけではなく、腹筋や体幹も鍛えることができます。
スクワットは、自宅でもできる身近なトレーニングですが、身近なトレーニングであるため、怪我も多くなります。
しかし、正しい呼吸法でスクワットを行うことによって、怪我も防ぐことができるのです。
スクワットの正しい呼吸法は、簡単です。次のトレーニングから、早速取り入れてみましょう。