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腹筋ローラーと腰はどんな関係性がある?基本からおさらい
腹筋ローラーは頭側に押すときと、腰側に引くときどちらがたくさん負荷が掛かっているかご存知でしょうか。
実は腹筋ローラーは押す動作のときのほうが、筋肉が大きな力を発揮しています。
押す動作こそが腹筋ローラーで腰が痛くなる原因の1つです。
しかし引く動作でも腰を痛めるケースがあります。
ここでは腹筋ローラーでどこの筋肉を使うのか、どのような動作があるのか解説します。
腹筋ローラーでできること
主に腹直筋を鍛えられます。しかし腹筋ローラーは単純な動きにみえて、沢山の筋肉にアプローチできます。
具体的には同じお腹では腹斜筋、背中側は脊柱起立筋や広背筋。
副次的に上腕二頭筋や三角筋も使われるのです。
たくさんの筋肉を使って行う腹筋ローラー。行う動作は大きく2つあります。
屈曲動作
お腹を丸める屈曲動作は一般的に腹筋運動と言われときに思い浮かべるトレーニングで行われます。
簡単にいえば、筋肉を縮める動きで腹筋ではとてもメジャーな動きと言えます。
例えば、シットアップと呼ばれる上体起こしも、足を曲げて体を少し起こすクランチも腰を起点にお腹の筋肉を縮めて行う屈曲動作です。
腹筋ローラーでは足側に引き寄せるときに屈曲が起こります。
屈曲は曲げる時よりも体を起こしたときに力がかかるので、腹筋ローラーでも引き戻すときに腰に力がかかります。
伸張性収縮
腹筋ローラーは頭側に押す動作でより筋力を使い、筋肉痛が起こりやすいのもこの動作だといわれています。
伸張性収縮と呼ばれ、筋肉が伸ばされながら力を発揮している状態のことです。
例えば大量のコピー用紙の束を渡されたときに腕で抱えて持ちます。
しかし時間が経つにつれ紙が異様に重たく感じるものです。
散らばった紙を拾うのは大変なので必死に力を入れますが、重みに耐えられずだんだん腕は下がっていきます。
この状態が伸張性収縮です。伸張性収縮は重みに耐えられていない状態であるのに、非常にパワーを発揮しています。
重みに耐えられず弛緩しているときは、使われる筋繊維の数が減るためです。
少ない筋繊維で重みを支えるので1本の筋繊維にかかる負荷は高くなります。
腹筋ローラーの場合、頭側に押し込たときに転がしすぎないようにするために伸張性収縮がおこるのです。
勢いよく転がして、腕が伸びすぎるとあごを床に打ちつけてしまいます。
腹筋ローラーの腰へのリスク
腹筋ローラーがたくさんの筋肉を使える強度の高いトレーニングというイメージはできたでしょうか。
強度の高さに比例して多くなるケガのリスク。
ここでは腹筋ローラーでなぜ腰痛がおきてしまうのか説明します。
腹筋ローラーと腰痛
比較的手に入りやすくお手頃な腹筋ローラー。
手軽にできるかと勘違いしてしまいますが、自己流でフォームを間違えると腰に負担がかかる動作をしてしまいやすいのです。
腹筋ローラーには押す動作、引く動作がありますが両方の動作に腰を痛める原因があります。
腹筋ローラーでなぜ腰を痛める?腰痛が起きてしまう原因
腹筋ローラーを行うときに、なにが足りないと腰痛が起きてしまうのでしょう。ここではその原因について説明します。
筋力不足
腹筋ローラーは強度が高いためかなりの力が必要ですが、引き戻す動作のときに腹筋が弱いと腰と腕の力を代わりに使います。
弱い筋肉があると代わりに働いた部分はケガのリスクが高くなってしまうのです。
また筋力が足りないために、正しいフォームでトレーニングを行えないこともケガの大きな原因です。
腹筋ローラーでは腰が反ってしまうと一気に負担がかかり痛めてしまいます。特に押す動作では伸張性収縮がおきて、かなりの力を発揮しています。
事故の起きやすい状況でフォームを間違えると腰を痛める可能性が高まります。
腹筋ローラーに挑戦する前に他の初心者向けの腹筋トレーニングで腹直筋を鍛えておく、最初から遠くへ転がさないなど時間をかけてできることを増やすのが近道です。
ケガをしたらトレーニングは休まなくてはいけません。
柔軟性不足
筋トレはそもそも前傾になる姿勢が多くて反り腰になったり、腰に負担がかかりやすくなったりします。
腹筋ローラーは持っただけでグラグラと不安定で柔軟性とバランス感覚が必要です。
股関節がかたい人は多いと思いますが、股関節がうまく使えないと動きの悪さを補うために、腰に負担がかかり痛くなる場合が多いです。
柔軟性はストレッチをすることで改善が期待され、腹筋ローラー以外の筋トレにも有効です。
筋肉の可動域が広がると筋トレの効果がアップします。ストレッチは軽視されてしまうことも多いですが、立派なトレーニングです。
腹筋ローラーで腰を痛めないためのポイント
とにかく背中を丸めるのがポイントです。体が伸びた状態だと腰への負担が大きいためです。
腹筋ローラーは手と足だけで体を支えるために重力でお腹がさがって腰を突き出した状態になっていまいます。
そこで重力にさからってお腹に力をいれると自然と背中が丸くなるのです。ここでは腰を痛めない方法を解説します。
腰をそらさない
フォームを間違えて、腰をそらせると負担がかかります。
特に引いて戻ってくるときにそらせがちになります。腹筋を使い、腰の力は使わないようにしましょう。
- 肩をすくめないようにする
- お腹に力をいれて、筋肉の力で背中を丸める
- 背中は丸めて肩甲骨や背中の骨を伸ばすイメージ
の3ステップを意識します。
腰をそらせると痛くなる可能性が高くなるので注意です。
目線はおへそに
目線をおへそに持っていくと腹筋を丸めた状態をキープできます。
つい呼吸を止めてトレーニングをしてしまいそうになりますが、おへそを意識しつつ必ず呼吸はします。
お腹に空気をためない
くしゃみや咳をしたときにお腹が縮む感覚があります。
くしゃみをしたときはお腹に力をいれて空気で膨らませた感じになります。
これが腹圧がかかっている状態です。
腹圧がかかっていると自然に腰をそってしまうのです。スクワットですと、お尻をつきだすフォームが正しいので腹圧をかけますが、腹筋ローラーをするときはお腹はふくらんだ状態よりもへこんでいる方が正しいといえます。
スタート時にお腹の中の空気をしぼりだすように息を吐ききって、そのままキープしてから腹筋ローラーを行うと腰への負担は軽くなります。
手首をそらさない
手首に力が入る過ぎると手首がそってしまいます。そらせたまま腹筋ローラーをすると腕の力を使ってしまうので押し込む動作のときに勢いよく転がして体が伸びきった状態になりがちです。
押し込んで転がしすぎると腰を痛めてしまいます。手首は添えるようにまっすぐ持つと余計な力は入りません。そして背中を丸めた姿勢をとりやすくなります。
まとめ
腹筋ローラーは押して進む動作と引いて戻す動作、両方とも腰を痛める危険がひそんでいます。
どこにでも売っているので気軽にできると思いがちですが、強度が強いトレーニングだということを頭において取り組みましょう。
すでに腰が痛い人は筋力が足りないかフォームを間違えている可能性が高いです。腹筋ローラーはお休みして、腹筋の力で動かせるようになるまで他のトレーニングで少しずつ鍛えてから再挑戦も手段です。
あわせてストレッチを行えば他のトレーニングでも可動域が広がって一石二鳥。
腹筋ローラーに興味があっても腰痛が怖くてできない人や過去に腰を痛めた経験がある人は背中を丸めることを意識して実行してみてください。
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