ナロープッシュアップでたくましい腕を作ろう!トレーニングのやり方を優しく解説

太く逞しい腕や、たるみのない腕に有効なナロープッシュアップ。
しかし、通常のプッシュアップと比べて負荷が高いので

・正しいやり方・自分に適した回数・セット数がわからない
・一度試してみたが負荷が高く断念した

という状態になりがちです。

これらは「なぜ高負荷でやるのか」「負荷の増減方法」を知ることによって、継続的にトレーニングに臨むことができます。

この記事を読むことで、具体的に以下のような解決が得られます。
・腕を太くする・たるみをなくするための上腕三頭筋の知識がわかる
・正しいナロープッシュアップのやり方・自分に適した回数・セット数がわかる
・ナロープッシュアップの負荷の増減の方法がわかる

解決法を知ることで継続的にトレーニングを行い、自分の理想の腕を手に入れましょう。

ナロープッシュアップとは

ナロープッシュアップとは手幅を肩幅よりも狭めて腕を折りたたんで行うプッシュアップのことです。

通常のプッシュアップでは主に大胸筋を鍛えることできますが、ナロープッシュアップでは上腕三頭筋も同時に鍛えることが可能です。

上腕三頭筋は普段の生活では使われづらい筋肉であるため、腕を太くする・たるみをなくすには意識的にトレーニングに取り組む必要があります。

ここでは上腕三頭筋がどういった筋肉なのかを詳しく解説します。

鍛えられる部位

上腕三頭筋

上腕三頭筋は二の腕に位置する筋肉で、長頭・内側頭・外側頭の3つの筋肉から構成されています。

外側頭は腕の外側に付いている筋肉で鍛えることで身体の正面から見た際の印象を変化させます。

内側頭は見えづらいですが、腕の筋肉の割合を大きくしめる筋肉です。

長頭は身体の側面からの見た際の腕の太さに影響する筋肉です。

これら3つの筋肉で構成される上腕三頭筋は腕の中で最も割合の大きい筋肉で、鍛えることで効率的に腕に変化をもたらします。

ナロープッシュアップのやり方・メニューを解説!

ナロープッシュアップは負荷の大きいプッシュアップです。
正しいフォームと自らの状態を確認しながら回数やセット数を決めなければ、ケガにつながるリスクがあります。
ケガを避ける正しいナロープッシュアップのやり方・自分に適した回数・セット数について解説します。

正しいフォーム

正しいプッシュアップのフォームは以下のような手順で行います。

1.足を肩幅まで開く
2.手幅は肩幅か、より狭めた位置にする
3.親指と人差し指と頭の真下の延長線上で三角形を作るように手を置く 指同士はくっつけなくてもOK
4.両手はみぞおちより上に構える
5.頭からつま先まで一本の軸が入る意識で体を一直線にする

通常のプッシュアップでは腕の筋肉に加えて大胸筋を使うため、力が伝わりやすく比較的身体を持ち上げやすいですが、ナロープッシュアップは腕の筋肉を使う割合が高いため、力が伝わりにくく、身体を持ち上げにくいです。

ですので、正しいフォームで行わなければ不安定な状態でトレーニングを行うことになり、ケガをしやすくなる、効果が薄れるなどの悪影響が出る恐れがあります。

そのことを踏まえて正しいフォームを意識しましょう。

正しいメニュー

正しいフォームを構えたところで実際に動作を取り入れていきます。

1.正しいフォームで構える
2.中指が身体に対してまっすぐになっていることを確認する
3.ゆっくりと縦に腕をたたんで床につかない程度まで体を下ろす
4.このとき上腕三頭筋をしっかりと意識して使う
5.素早く腕を伸ばして身体を起こす
6.自身に適した回数とセットで繰り返し行う(回数・セット数は後述)

疲れてくる後半には自身が意識していたとしてもフォームが崩れがちです。

一人で行う場合は鏡があるところで行う・ビデオ撮影で、一緒にトレーニングを行う人がいれば、指摘してもらってフォームを確認しておきましょう。

オススメのセット・回数

ここではナロープッシュアップのポイント、目安の回数・セット数を解説します。

後述の目安の回数に取り組んだ後に、フォームを維持して取り組める回数・セット数を模索してみてください。

羽状筋についてまず理解する

二の腕にある筋肉で長頭・内側頭・外側頭の3つの筋肉から構成されている上腕三頭筋。

そんな上腕三頭筋ですが、羽状筋と呼ばれる種類の筋肉に分類されます。

羽状筋について説明すると、筋肉はまず平行筋と羽状筋に大別されます。

平行筋は筋肉の長軸方向にまっすぐに繊維が並んでおり、筋収縮が速い特性があります。

羽状筋は筋肉の長軸方向に斜方に繊維が並んでおり、強い力を発揮する特性があります。

上腕三頭筋は羽状筋なので強い力を発揮させる負荷の高いトレーニングと親和性が高いです。

よって、「少ない回数で高い負荷をかけるトレーニング」が上腕三頭筋の特性にあった方法になります。

初心者向け

初心者は自重でも相当な負荷となりますのでナロープッシュアップを8回〜12回の範囲で
セット数は3回を目安としましょう。

正しいフォームで行える回数を選択してください。

また、インターバルは60秒取るようにしてください。

8回取り組むことができないようであれば、自分ができる回数までで大丈夫です。

大事なのは最大限の力で取り組む回数を増やすことです。

例えば、1セットで30回行えるようであれば、それは最大限の力で取り組んでいるとは言えません。

10回するのが限界な回数を1セットとして3セット取り組めば、最大限の力で30回こなしたことになります。

上述のように上腕三頭筋は負荷が高いトレーニングと親和性が高い部位です。

ですので、1回1回を最大限の力で取り組むようにしましょう。

中〜上級者向け

中〜上級者も初心者向けと1セットあたりの回数は変えず8回〜12回、セット数を2〜5回を目安としましょう。

インターバルも60秒で行います。

この回数・セット数でも慣れてしまったようでれば後述の上腕三頭筋向けおすすめセットを参考に高負荷でトレーニングに取り組んでください。

上腕三頭筋向けおすすめセット

上腕三頭筋が羽状筋であることから、負荷が大きく、少ない回数でトレーニングを行うことがおすすめです。

以下は上腕三頭筋のトレーニングに適している回数・セット数です。
ナロープッシュアップを特に効果的に取り組みたい場合は回数を5〜8回、セット数を2〜6セットで高負荷な状態で行いましょう。

通常行う方法のナロープッシュアップよりも、負荷を高めるために、足を高い位置にしたり、重りを背負って取り組んでみましょう。

ナロープッシュアップをするのが辛い時は

ナロープッシュアップは負荷が高いため初心者には、回数をこなすことができない、正しいフォームでできないなどが考えられます。

その場合筋力不足が原因なので、負荷を減らした方法で取り組むか、基礎筋力を高めるたあとに取り組む方法があります。

負荷を減らす場合には、正しいフォームから下半身に重心が寄る姿勢に変更すれば可能です。

具体的には足を肩幅より開く、またはつま先ではなく膝を床につけるなどの方法があります。

基礎筋力を高めるトレーニングは腕周辺だけ行うのではなく、体幹を鍛えるものに取り組むことをおすすめします。

ナロープッシュアップのバリエーション

ナロープッシュアップではトレーニングに慣れてしまい、より高負荷で刺激のあるプッシュアップがしたい方に向けたトレーニングの方法について解説します。

デクラインナロープッシュアップ

デクラインプッシュアップは足の位置を高くすることでナロープッシュアップよりも負荷がかかる方法です。

上体が前のめりになりすぎないよう注意して行う必要があります。

やり方

デクラインプッシュアップのやり方は以下の通りです。

1.足を椅子などの地面より高い位置に置く
2.ナロープッシュアップと同様の正しいフォームを取る
3.腕を前後に折りたたんで身体を下げる
4.腕を伸ばして身体を起こす

足を高い位置においていることから体幹の力で身体の軸をぶれないようにする必要があります。腹筋に力をいれつつトレーニングに取り組みましょう。

注意点

足の位置の高さで負荷の高さが決まります。
最初のうちは足の高さをあげすぎないようにしましょう。30〜50㎝程度が目安です。

それ以上高くあげてしまうと重心が身体の上体部にのりやすく、肩、肘、手首などの関節部を痛める可能性があります。

曲げる角度を深くしすぎないようにしましょう。

また高負荷のトレーニングになると、呼吸が止まりがちです。身体を下げる時に、ゆっくりと息を吐き、身体を上げる時に息を吸うように、一定の呼吸を意識しましょう。

ダイヤモンドプッシュアップ

ナロープッシュアップでは三角形を意識して手を置きましたが、ダイヤモンドプッシュアップでは角度を変えてひし形にする特徴があります。

ダイヤモンドプッシュアップのやり方と注意点、ナロープッシュアップとの違いについて解説します。

やり方

ダイヤモンドプッシュアップのやり方は以下の通りです。

1.両手の人差し指同士と親指同士をくっつけてひし形を作る
2.ひし形をアゴの真下に置く
3.正しいフォームを意識して腕を折りたたみ身体を下ろす
4.身体を下ろした時にはひし形がみぞおちの真下に来るように心がける
5.腕を伸ばして身体を起こす

身体を下ろす際に脇があいていると負荷が分散して上腕三頭筋を効果的に鍛えることができません。脇を締めて身体を下ろしていくようにしましょう。

注意点

人差し指、親指がくっつくほど手幅が狭いプッシュアップです。

手首の角度を変えてひし形にしているのは、負荷をより軽減するためです。

ひし形をしっかりと意識しましょう。

また、手のポジションをアゴ下からみぞおち下、鼻下などに変更することで負荷がかかる位置を変えることができます。

鍛えたい部位と負荷のかかる位置をすり合わせながら挑戦してみましょう。

ナロープッシュアップとダイヤモンドプッシュアップの違い

ナロープッシュアップでは、手幅の位置が肩幅まで開かれているので、重心を支える点数が両手足で4点となっています。

対してダイヤモンドプッシュアップでは手幅をより狭めているために3点で、しかも負荷をかける上体側を1点で支えているため、ダイヤモンドプッシュアップの方がより高負荷なトレーニングとなっています。

種類によって筋肉への刺激が異なりますので、いろんなバリエーションでトレーニングを行い刺激に慣れないようにメニューを組みましょう。

ナロープッシュアップを更に効果的にするコツ

ナロープッシュアップの正しいやり方・回数やセット数より負荷の高い方法について解説してきました。

それらは基礎的な部分なのでここではより効果的に鍛えるために意識的に取り組むべきコツについて解説していきます。

プッシュアップバーは使わない

プッシュアップバーは腕を左右に広げて大胸筋を鍛えるプッシュアップには有効な道具です。
それは大胸筋と床との水平な位置を超えて負荷をかけられるためです。

しかしナロープッシュアップは上腕三頭筋を鍛えるプッシュアップで、腕を縦に折りたたんで行うため、プッシュアップバーを用いてもあまり有効ではありません。

プッシュアップバーは使わずにトレーニングをすることがおすすめです。

足の高さを変えて負荷を大きくする

足の位置を高くすれば、重心が上体部にのりやすく、高負荷なトレーニングを行うことができます。

逆に、足の位置を低くする、膝をつけることによって、負荷を軽減することができます。

とはいえ負荷を高めるのにちょうどいい高さの台がない場合も考えられます。

その際には、腕を折りたたんで身体を下ろしきった際のキープ時間を長めに取ることで負荷を高めましょう。

息を吐きながら下げていく

息を吐くことは、二酸化炭素を体内から排出することで、息を吸うことは酸素を体内に取り込むことです。

息を長くゆっくり吐くことによって、全身の筋肉を引き締め安定的な力を引き出せます。

徐々に負荷がかかるように筋収縮させる際には、長く息を吐くように心がけましょう。

逆に筋肉が収縮しきった後、再び伸展していく際に息を吸うことで、負荷が最もかかるタイミングで酸素を多く取り込み、栄養素を送り込めるので大きな力を発揮することができます。

反動は使わないようにする

目的を持たずに反動を使ってトレーニングをすると勢いに任せた方法になりがちで筋力でコントロールしづらくなります。

反動で筋肉に刺激を与える目的の上級者と、反動を制御しきれない初心者では状況が異なりますので、まずは反動を用いずフォームを崩さないように意識をしましょう。

フォームを崩してしまうと肩や肘、手首などの関節や身体がだれることによる腰のケガに繋がるリスクがありますので要注意です。

肩幅は手幅より狭くする

ナロープッシュアップはその名の通り手幅が「narrow(狭い)」状態で鍛える方法です。

途中で腕が開かないように意識しましょう。
その際、脇を閉めるようにしてトレーニングをすると有効です。

また、腕を伸ばして上体を上げきった状態からスタートすることで、上腕三頭筋だけでなく大胸筋も鍛えることができますので、上体を起こす時は最後まで起こしきるようにしましょう。

顔は真っすぐを向く

トレーニングをより効果的にする、また身体を痛めないためにはとにかくフォームを意識することが大切です。

ナロープッシュアップの回数が増えるにつれてどうしても身体をまっすぐに保つことができなくなってきます。

そのためにも頭からつま先まで体の軸が入る意識をするように、顔をまっすぐ向けましょう。

人体で頭が最も重いため、顔を上げて頭を下げないことで身体の位置を保ちやすくする効果があります。

まとめ

この記事では

・正しいやり方・自分に適した回数・セット数がわからない
・一度試してみたが負荷が高く断念した

という人に向けて以下の解決方法を提示しました。

・腕を太くするまたはたるみのなくするために知っておくべき上腕三頭筋の知識がわかる
・正しいナロープッシュアップのやり方・自分に適した回数・セット数がわかる
・ナロープッシュアップの負荷の増減の方法がわかる

腕を鍛えたいという思いには「腕が細いままではいやだ」「腕のたるみをなくしたい」といった明確な目標があるはずです。

その望む姿を意識して自分のペース・正しい方法でトレーニングをこなせば少しづつ理想の姿に近づいていけます。

自分の変化がわかればトレーニングも楽しくなっていくことでしょう。

ぜひ、続けてナロープッシュアップに取り組んでみてください。