肩こりに筋トレは効果がある?肩こりに効くストレッチやトレーニングをご紹介

肩こりは「日本の国民病」と呼ばれるほど、男女ともに悩まされている人が多いもの。

しかしまだまだ大丈夫だと思って放っておくと、更に慢性化させてしまうことになります。

こちらの記事では肩こりの原因から、解消するための筋トレ方法をご紹介します。

肩こりに筋トレは効く?肩こりが起きてしまう原因をまずおさらい

原因1 運動不足

肩こりの原因は、肩や首の血流が滞りその部分に疲労物質がたまることです。

血流が滞ることにより、新鮮な酸素や栄養分が伝わりにくいのです。更に冬の寒い時期は運動不足に加え縮こまった姿勢をとりがちになるので、意識して身体を動かしたり、ほぐしたりして血液の流れをよくする必要があります。

適度な運動をしているとそれ自体が血流を改善する効果があり、運動を続けることで筋肉量の低下を防ぎまた筋肉が柔軟に動くようになっていきます。

また続けていけば全身の血流が改善され、普段から肩こりを起こしにくい身体をつくることもできるのです。

原因2 姿勢不良

デスクワークや、細かい手仕事によっておこる肩こりも増えています。

パソコンをいじるとき、多くの方は首を前に少し突き出すような姿勢になっているのではないでしょうか。またキーボードを打つために両肩を少し前にすぼめる姿勢にもなっています。

こうした姿勢不良を続けていると、首から肩の筋肉が固まっていき、血流が悪くなり肩こりを引き起こしてしまうのです。

同じ姿勢を続けないように意識をして、一定時間たったら首や肩をゆっくりまわして緊張状態をほぐすこと、少しでも血流を改善していくことが予防につながっていきます。

原因3 冷え性

女性に多い冷え性も実は肩こりの一因です。「冷え」の原因のひとつに考えられるのが、筋ポンプ作用の低下です。

筋ポンプ作用とは筋肉がポンプのように収縮することで、心臓から手足の先など体の隅々まで血液を送り出す作用のことです。

しかしこれがうまく作用しないと、血流が身体のすみずみまで届かず、結構が悪くなって手足など身体の先端が冷える「末端冷え性」を引き起こすのです。

こうして血行が悪くなると、肩こりやむくみの原因となります。肩こりを改善するには、身体をあたためて血行を改善することも有効な手段です。

原因4 ストレス

心身ともにストレスを受けると、筋肉を緊張させる自律神経の働きが活発になります。またぎゅっと萎縮してしまうこともあるため、首肩周りの筋肉が緊張し、肩こりが起こるのです。

人間は自律神経が乱れると筋肉の緊張が強まります。一時的なものであれば問題ないのですが、連日厳しいストレスにさらされると筋肉に過剰な緊張状態が続いてしまい、それが慢性的な肩こりにつながってしまうこともあるのです。

肩こり解消におすすめの筋トレをご紹介

そこで、辛い肩こりを解消するためのおすすめの筋トレをご紹介します。

肩こり解消のためには僧帽筋を鍛えよう

僧帽筋(そうぼうきん)とは、人間の背中の一番表層にある筋肉です。

肩こりを感じるのはこの、背中にひし形に広がる筋肉。肩甲骨を閉じると自然に胸をはった姿勢になりますが、逆に開いてしまうと背中が丸くなるのがわかるとおもいます。

肩甲骨を閉じる動きを助けてくれているのが僧帽筋です。なかでも中部が大きな役割を果たしていて、肩甲骨を後ろに下げるとき、背伸びや深呼吸といった胸を張る動作で使用されています。

ちなみに僧帽筋上部は肩をすくめる動作や首を下に向ける時、下部はものを引っ張ったりするときに使われる筋肉です。

僧帽筋中部はなかでも凝りやすい筋肉だといわれているので、筋トレをするときは率先して使っていく必要があります。

ダンベルシュラッグ

ダンベルシュラッグは僧帽筋を強化することができ、肩周りを鍛えたいときに有効的なトレーニングです。

初心者の方でも取り組みやすいものですが、だからこそ正しいフォーム、やり方を身につけるようにしましょう。やり方は、

1. 両手にダンベルを持って、足を肩幅に広げる
2. 肩を落とすことを意識して、肩を腕の力を抜く
3. 両肩をすくめるように、肩甲骨をあげてダンベルを持ち上げる
4. 一番高い位置で、少し静止させる
5. ダンベルを下ろしていき、肩を落とす
肝心のダンベルですが、自分がギリギリ握っていられる重さがよい負荷とされています。

また回数は8~12回を3~6セットが理想です。

落としてしまっては危ないので無理をせず、「自分が持てる重さ」で一定の負荷をかけるようにしましょう。

ポイントは
・肩甲骨から肩をあげていくこと
・できるだけ腕をリラックスさせること
・可動域を広くするために、あげた肩を落とすこと

です。肩を上げる際は首を一緒に動かさないよう気をつけましょう。

首を縮めてしまうと、肩甲骨を動かすことができないので僧帽筋上部には効かないのです。

あくまで肩と肩甲骨を意識してみてください。またダンベルを握りしめるとき、腕はなるべくリラックスさせて、腕ではなく肩のほうへ負荷がかかるようにしましょう。

肩をあげて元に戻すだけでなくそこからさらに下に下げることで、肩の可動域を広くすることができます。あげるだけではなくてしっかり下げることも意識するといいでしょう。

ダンベルリアレイズ

ダンベルリアレイズとは、体を前傾させた状態で、腕を外側に広げる動作をおこなうことで僧帽筋を鍛えるトレーニングメニューです。

僧帽筋の中部と下部に効くと言われており、また肩周りの三角筋全部、足部、後部といった、腕を上方に押し出す作用があり大胸筋と一緒にはたらく筋肉も鍛えることができます。やり方は、

1. ベンチなどに座り、上半身を45度ほどにキープする
2. 前傾姿勢のまま両手にダンベルを持つ
3. 肩をすくめるように、肘を伸ばしたまま横にダンベルをあげる
4. 意識的に肩甲骨を閉じて、僧帽筋中部への負荷を感じる
5. 限界まで上げたところでゆっくりとダンベルを下げていく

初心者であれば1セット20回として、3セットが目安です。肩甲骨を閉じるように意識することで、僧帽筋中部を鍛えることができます。初心者の場合は2kgからはじめてトレーニングに慣れてきてから徐々に重くしていくことがおすすめです。

ポイントとしては、前傾姿勢を保つこと、肩甲骨の開閉を意識すること、あくまで僧帽筋中部に負荷がかかるようにしましょう。

ここは特に凝りやすい部分なので意識してやっていきましょう。また肘を曲げたり動かしたりしてしまうと腕の筋肉が働いてしまい、僧帽筋への負荷が弱回ってしまうので肘はなるべく軽く曲げた状態をキープしましょう。

なるべく反動を使わず自分の力で上げ下ろしすることも大切です。

シーテッドローイング

シーテッドローイングは、背筋を鍛えるトレーニングのなかでも特に取り組みやすいといわれるトレーニングです。

ローイングマシンと呼ばれる機械で広背筋を収縮、伸展させることで効率よく僧帽筋を鍛えることができると言われています。やり方は、

1. ケーブルマシンにVバーを取り付ける
2. マシンに胸を起こした状態で座り、少し足を広げておく
3. 両手でバーを握る
4. 肩甲骨を閉じてケーブルを引っ張り、ハンドルを腹部まで惹きつける
5. 限界地点で数秒静止(背中は丸めずに、まっすぐに)
6. ハンドルをゆっくりと戻す

本来左右の筋肉をバランスよく鍛えられるシーテッドローイングですが、そのためには正しいフォームで行うことが重要です。

ただ引っ張るだけではなくていくつかポイントを押さえておく必要があります。そのポイントとは脇を縮めること、背筋を伸ばすこと、肩甲骨をしっかり閉じること、胸をはって上半身を固定することです。

こうしないと別の筋肉に負荷がかかってしまうので、うまく僧帽筋に効くようにするためにもぜひ意識してみてください。

シーテッドローイングは他のトレーニングと比べると、比較的体への負荷が他のトレーニングよりも小さいです。たとえ余裕が出てきても20回以上は行わず、重量で調整するようにしましょう。

ベストは腕の力だけでバーを引っ張ってお腹から10cmほどの位置まで持ってこられる重量がベストと言われています。

筋トレで肩こりが酷くなってしまうパターン

適切な量をこなすことが大切で、筋トレのやりすぎは、

・筋肉のさらなる緊張による血行不良
・筋繊維の損傷・炎症
・血行障害による疲労物質の蓄積

など肩こりを悪化させてしまう場合があります。そもそも肩こりはすでに筋肉が緊張している状態なので、痛みを感じている場合は負荷をかけるより、筋肉を緩めることや、あたためてあげるほうが効果的な場合もあります。

いきなり高負荷のトレーニングを行う

「普段から筋肉を鍛えれば治るはず、よし今日から鍛えよう!」といきなり高負荷のトレーニングを始めるのは危険です。使いすぎた筋肉が肩こりや痛み、張り感の原因なので、その筋肉に負荷をかけてもますます硬くなって肩こりの痛みはむしろ酷くなることも。

自分の身体にあった、適度で適切なトレーニングを心がけましょう。

ストレッチ不足

肩こりの原因は血行が悪くなり固まってしまった筋肉のせいです。多くの人が思い浮かべるのは静的ストレッチと呼ばれる、ゆっくり一方向へ伸ばしていくストレッチですが、動かなくなっている筋肉をこの方法で伸ばすのは難しいのです。

腕をいろいろな方向へ動かす動的ストレッチを行い、血液の循環を高めていくことを考えましょう。

まとめ

今回の記事では、肩こりの原因と、対処法について具体的に解説しました。

急に筋トレなどの負荷をあたえると悪化させてしまう可能性があるので、まずは固まってしまった筋肉を緩めることを大切にしましょう。

そして今後肩こりに悩まされないようにするためには、適切な筋トレやケアを行い凝りにくい身体を作っていくことがキーとなりそうです。