ベンチプレスは肩や胸を大きくする王道のトレーニングとして広く知られています。
ハードではありますが非常に効果が高く、取り入れている方も多いですよね。
ベンチプレスに慣れて物足りなくなってきたら、重量をあげるよりも効果的なベンチプレスの応用編『ナローベンチプレス』を試してみませんか?
目次
ナローベンチプレスとは
通常ベンチプレスはバーを肩幅より広めに掴んでおこなう”ワイドグリップ”でおこないますが、ナローベンチプレスは肩幅より少し狭く掴む”ナローグリップ”でおこなうベンチプレスのことです。
ワイドグリップでおこなうかナローグリップでおこなうかで、鍛えられる筋肉や効果はどれほど変わってくるのでしょうか。
ナローグリップでのベンチプレスによって鍛えられる筋肉について解説していきます。
ナローベンチプレスで鍛えられる筋肉
ワイドグリップでおこなうベンチプレスは大胸筋や肩、腕など上半身のほとんどの筋肉を同時に鍛えられるトレーニングですが、ナローグリップでおこなうと特定の部位に強く負荷をかけることができます。
ナローベンチプレスによって特に鍛えられる筋肉は以下の3つです。
三角筋
三角筋は肩関節を包むようについている筋肉で、前部・中部・後部の3つの筋肉から構成されています。
男らしく大きな肩幅や逆三角形の体を目指すのであれば三角筋の全ての筋肉を鍛えるべきです。
三角筋の前部は物を前に持ち上げるときや、重いものを持ってキープする時に使われる筋肉なので、ナローベンチプレスでバーを持ち上げたり支えたりする際に刺激を受けます。
フォームがしっかりしていないと前部にばかり負荷がかかってしまうので、三角筋全体に効くように正しいフォームとやり方でトレーニングをおこないましょう。
また肩の筋肉は日常でも多く使われるので、無理なトレーニングで痛めてしまうと生活に支障が出てしまいます。
入念にストレッチをして無理のない重量で鍛えるように心がけてください。
上腕三頭筋
上腕三頭筋は一般的に二の腕と言われる部分の筋肉です。
上腕の中でもっとも大きい筋肉なので、ナローグリップで集中的に鍛えて大きくすれば太くたくましい腕になります。
上腕三頭筋も長頭・外側頭・内側頭の3つから構成され、上腕裏側の長頭を鍛えると横から見たときの腕の幅が広がり、上腕横の外側頭が発達すると前から見たときの腕の幅が広がるので全体的に満遍なく鍛えたい筋肉です。
ナローベンチプレスでは主に長頭に負荷がかかりやすくなっています。
長頭は肩甲骨に繋がっていて、肘関節や肩関節を伸ばしたり広げたりするときに使われる筋肉です。
様々なトレーニングでも使われる部位なのでオーバーワークに注意しながら鍛えていきましょう。
大胸筋
ナローベンチプレスでもっとも効果的に鍛えられるのが大胸筋です。
大胸筋は上部・下部・内部・外部の4つに分けられていて、ナローベンチプレスのやり方やフォームによって効果のある部位やかかる負荷が変わってきます。
男らしさの象徴とも言える分厚い胸板を作る筋肉が大胸筋です。
正しいフォームでナローベンチプレスの効果を高め、効率的に筋肥大させればTシャツの似合うたくましい体を手に入れられます。
ナローベンチプレス正しいやり方
ナローベンチプレスの効果を高める正しいやり方を解説していきます。
ナローベンチプレスをする前の注意点
ナローベンチプレスは狭い範囲でバーを握るため、ワイドグリップでおこなうベンチプレスよりも両腕に大きな負荷がかかります。
バーベルの重量は普段ベンチプレスをおこなうときよりも少し軽いものを選ぶようにしてください。
筋トレ心者の方は無理をせず、一番軽い重量から試して自分に合った負荷を慎重に見極めることが大切です。
また、トレーニング中に汗でダンベルやバーベルが滑る危険性があります。
手首とバーを固定できるリストストラップという道具を利用して、ケガや事故の防止策をとった上でトレーニングに臨みましょう。
正しいフォーム
ナローベンチプレスをおこなう際に重要になるのは、重量ではなく”きちんと正しいフォームでおこなうこと”です。
無理をして重量をあげてもフォームが間違っていれば効果は思うように出ません。
【ナローベンチプレスの正しいフォーム】
①フラットベンチに仰向けで横たわります。
②両足をベンチに乗せ、60度くらいに曲げます。
③肩幅よりも、こぶし半分くらい内側の位置ででバーベルをしっかりと握ります。
④肩甲骨を引き寄せるようにして胸を張り、しっかりと脇をしめます。
⑤腕をまっすぐ上に伸ばします。バーベルは手のひらで支えて、指で握るイメージです。
手の甲が自分側に向いていれば正しいフォームでできています。
ナローベンチプレスは肩や腕の筋肉に負担のかかりやすいトレーニングなのでストレッチなどの準備運動をしてからおこないましょう。
正しいメニュー
ナローベンチプレスの正しいフォームを理解したら、実際にトレーニングをおこなっていきましょう。
【基本のナローベンチプレスのやり方】
①しっかりと正しいフォームをつくります。
②息を吸いながらゆっくりと、バーベルを胸に引き寄せるように下げます。
③息を吐きながらバーベルを持ち上げます。
押し上げるようなイメージで、下ろしたときと同じ軌道を描くようにします。
④上下運動を10回繰り返します。
インターバルを3〜5分間とり、更に2セットおこなうと効果的です。
余裕があると感じた方は重量を変えてから再開してください。
胸元までしっかりとバーベルを下ろすこと、下ろしたときと同じ軌道に押し戻すことの2点は特に意識しましょう。
上腕三頭筋ををしっかり刺激するために重要なポイントなので必ず意識してトレーニングをおこなってください。
応用的ナローベンチプレス
基本のナローベンチプレスをマスターしたら、応用バージョンのナローベンチプレスにも挑戦してみましょう。
スミスマシン・ナローベンチプレス
バーベルが両サイドのガイドによって動くスミスマシンというマシンを使ったベンチプレスです。
【スミスマシンナローベンチプレスのやり方】
①フラットベンチに仰向けで横たわります。
②スミスマシンに設置したバーベルを握ります。
肩幅よりも、こぶし半分くらい内側の位置でバーベルをしっかりと握ってください。
③肩甲骨を引き寄せるようにして胸を張ったら、バーベルのロックを解除します。
③息を吸いながらゆっくりと、バーベルを胸に引き寄せるように下げます。
④息を吐きながらバーベルを持ち上げます。
押し上げるようなイメージで、下ろしたときと同じ軌道を描くようにします。
⑤上下運動を10回繰り返します。3セット行えると効果的です。
スミスマシンナローベンチプレスはバーベルが固定されているのでフォームが崩れにくく、安心して行えるので初心者向きですが、無理はせず軽めの重量から始めましょう。
インクライン・ナローベンチプレス
これまでご紹介してきナローベンチプレスはフラットベンチを使用しますが、インクラインベンチプレスは傾斜のついたインクラインベンチでおこないます。
【インクラインナローベンチプレスのやり方】
①30〜45度に背もたれを起こしたインクラインベンチに仰向けで乗ります。
②肩幅よりも、こぶし半分くらい内側の位置でバーベルを握ります。
③肩甲骨を引き寄せるようにして胸を張ったら、バーベルをラックからはずします
④息を吸いながらゆっくりと、バーベルを胸に引き寄せるように下げます。
⑤息を吐きながら地面に対して垂直にバーベルをあげていきます。
⑥上下運動を10回繰り返します。3セット行えると効果的です。
ダンベルナローベンチプレス
バーではなくダンベルを使っておこないます。
可動域が広がるので脇をしめやすいというメリットはありますが、そのぶんフォームが安定しないので注意してください。
①フラットベンチに仰向けで横になり、ダンベルを縦に握ります。
②両脇をしめ、ダンベルを胸の前でくっつけて構えます。
③ダンベルをくっつけたまま、息を吐きながら腕を上へ伸ばしていきます。
④両脇をしめたまま、息を吸いながらゆっくり胸の前に下ろします。
腕を伸ばすときに肩が上がってしまうと、上腕三頭筋にかかるはずの負荷が肩に逃げてしまうので気をつけましょう。
ナローベンチプレスをするときのコツ
ナローベンチプレスをより効果的おこなうためのコツを知っておきましょう。
チーティングをしない
チーティングとは勢いや反動でバーベルやダンベルを持ち上げることです。
トレーニング後半など、きつくなってくるとやってしまいがちですが、せっかく頑張った筋トレの効果が半減したりケガの原因にもなります。
きついと感じるときこそ筋肉が育っているときです。
反動をつけず、ゆっくりと負荷をかけてトレーニングをおこないましょう。
上腕三頭筋を意識する
ナローベンチプレスは上腕三頭筋を重点的に鍛えるトレーニングです。
太くたくましい腕にするには、上腕三頭筋に集中して負荷をかける必要があります。
余計な部分に力が入らないよう、脇をしっかりしめて上腕三頭筋を意識しながらトレーニングをおこないましょう。
正しい呼吸法を意識する
ナローベンチプレスに限らず、正しい呼吸法は筋トレの効果を高めます。
しっかりと呼吸ができていれば適切に腹圧がかかるので力が入りやすくなり、重量を上げることも可能です。
ナローベンチプレスの場合はバーベルを下ろすときにゆっくりと吸い、押し上げるときに吐き切るように意識しましょう。
押し上げる時は素早く
ナローベンチプレスは下げる時はゆっくり、押し上げる時は素早くおこなうと効果的です。バーベルを素早く押し上げると筋肉の収縮を感じやすく、負荷をしっかりとかけられます。
物足りなくなってきた上級者の方は、胸元の手前で数秒間停止してから押し上げましょう。
より高負荷を感じられますので、無理のない秒数からチャレンジしてみてください。
頭は上げないようにする
持ち上げようと必死になるあまり、頭まで上がってしまうことがあります。
頭が動いてしまうと体の軸がぶれてフォームが崩れ、バーベルが不安定な状態になるので危険です。
どうしても頭や体が動いてしまう場合は重量を見直してみましょう。
まとめ
誤ったフォームでのトレーニングは効果がなく、せっかくの頑張りが無駄になってしまいます。
「今年こそかっこよく水着を着こなしたい」
「体のラインが出る服を自信を持ってきられるようになりたい」
そんな風に思いながら何度も挫折してしまうのは、誤ったトレーニングで効果が出なかったのも原因のひとつかもしれません。
正しいトレーニングと正しい呼吸法で腹筋・背筋をバランスよく鍛えて、今年こそ美しく引き締まった体を手に入れましょう!
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