目次
大腿二頭筋の基礎知識
大腿二頭筋と聞いても、多くの方が実際にどの部分の筋肉なのか分からないのではないでしょうか。昨今、この大腿二頭筋は注目を集めている部位でもあります。
この記事では大腿二頭筋をトレーニングすることで得られるメリットやトレーニングのコツ、やりかたなどもわかりやすく解説していきます。
大腿二頭筋とは
大腿二頭筋とは一言でいうと太ももの裏側にある筋肉のことをいいます。人間の太ももの裏側の筋肉は総称してハムストリングと呼ばれており、大腿二頭筋はその一部を形成する筋肉になります。
ハムストリングは大腿二頭筋の他にも2つの筋肉から形成されており、それぞれ
● 半腱様筋
● 半模様筋
があり、それぞれ役割は異なります。大腿二頭筋はその名の通り、短頭と長頭の2つの筋に分かれています。長頭は特に膝関節と股関節の両方に影響を与えていて、歩いたり、走ったり、飛び跳ねたりといった動作に関係します。また大腿二頭筋のことを外側ハムストリングと呼ぶこともあります。
大腿二頭筋の役割
大腿二頭筋の役割は主に膝や股関節を曲げたり、伸ばしたりする動作で使用されます。特に大腿二頭筋は走ったり、ジャンプしたりする競技で重要な部位になりますので、マラソンランナーや体操選手などはこの筋力が非常に発達していることが多いです。
大腿二頭筋は先述した、他のハムストリングの部位である半腱様筋と半模様筋を補助する役割もあります。その他、膝関節と股関節を開閉する動作にも僅かながらですが、影響を与えています。
大腿二頭筋を鍛えるメリットとは
先述した通り、大腿二頭筋は走ったり、ジャンプしたりする競技で主に鍛えられる部位です。つまり大腿二頭筋を鍛えれば脚力が上がり、瞬発力が付くので走るのが早くなります。
また、大腿二頭筋を鍛える大きなメリットのひとつが基礎代謝の向上です。筋力量が増えればそれだけエネルギーを消費しやすい体になりますので、ダイエットをしたり、引き締まった体つきをキープして、脂肪が燃焼しやすい体を手に入れたいのであれば、ぜひ鍛えておいた方が良い筋肉です。
その他にも大腿二頭筋を鍛えることで、下半身が安定したり、前や横への瞬発力が飛躍的に向上します。スポーツをされている方にとって下半身は大きな土台となるので、鍛えるメリットが多いですし、スポーツをしていなくても見た目の体系や健康面でも鍛えることでメリットがとても多い筋肉になります。
大腿二頭筋を鍛えるトレーニングメニュー
大腿二頭筋の基礎知識や役割、鍛えることのメリットはこれまでの説明でお分りいただけたと思います。ここから先は大腿二頭筋を鍛えるためのトレーニングメニューをご紹介いたします。
大腿二頭筋は器具を使わなくても鍛えることのできる部位ですので、色々な鍛え方があることが特徴です。
ジャンピングスクワット
筋トレの中でもBIG3と呼ばれているトレーニングのひとつに「スクワット」がありますが、「ジャンピングスクワット」とはスクワットを改良したものになります。
効率よく大腿二頭筋を鍛えることができて、ジャンプの動作をスクワットに取り込むことでより効果的で効率的に大腿二頭筋を鍛えられます。
トレーニングのコツ
「ジャンピングスクワット」のトレーニングのコツはずばり「思いっきりジャンプ」することです。大腿二頭筋を鍛えるには全力で跳ぶ動作を行いましょう。
そもそも大腿二頭筋は膝を伸ばす動作で使用する部位です。ですので、大きな反発力を加えることでより負荷をかけることができ、筋力アップに効果的です。
トレーニングのやり方
では「ジャンピングスクワット」のトレーニングの正しいやり方をご紹介します。まずはスクワットをするときと同じように、肩幅よりもほんの少しだけ広めに足を広げましょう。
次に両手を前で組んでから、背筋がまっすぐ伸びるように注意しましょう。そして膝を曲げて腰を下ろしていきます。この時、ふくらはぎと太ももが90度の角度になるように意識します。
そのまま両手で反動をつけて体をあげると同時に、つま先で地面を思い切り蹴り上げます。地面に着地したらまた最初の姿勢に戻して、動作を繰り返していきます。
プローンレッグレイズ
プローンレッグレイズは大腿二頭筋だけではなく、ハムストリング全体を効率的に鍛えることができるトレーニングです。
似たようなトレーニング方法でレッグレイズトレーニングがありますが、レッグレイズトレーニングが仰向けで行うのに対して、プローンレッグレイズはうつ伏せで行います。
トレーニングのやり方
プローンレッグレイズのやりかたは、まず床にマットを敷きうつ伏せに寝転がります。その時に両手は体の真横か顎の下あたりに安定させます。
次に上半身は静止したまま、片方の足だけを上に向かってゆっくりと上げていきます。上げていきながら太ももの裏の筋肉が伸びていることを感じたら、今度はゆっくりと下に下ろしていきます。
反対側の足も同様に行います。トレーニングの目安回数は左右10回ずつです。
トレーニングのコツ
プローンレッグレイズの最大のコツは足をあげる時に上半身を固定させることです。筋トレ初心者は筋力があまりついていないので、この体勢がきつくなり上半身が浮いてしまいがちですが、この時に上半身が動いてしまうと、効果が半減してしまいます。
また足をあげる時にはかかとで天井を押すようなイメージで上げます。その際にお尻と背中の筋肉が刺激されるように高く上げます。反復する時に足を下ろした時に地面に付くギリギリで止めてまた足をあげるように気をつけます。
早く行わずに時間をかけてゆっくり行い、膝をできるだけ曲げないこともコツのひとつです。
ヒップリスト
ヒップリストは体幹を鍛えることできるトレーニングで、主に大臀筋やハムストリングを効果的が鍛えられます。ヒップリストの大きな特徴に「寝転がったまま」取り組めますので、筋トレ初心者やなかなか継続して筋トレができないという方にもオススメのトレーニングです。
トレーニングのやり方
ヒップリストのやりかたはまず、床に仰向けに寝転がります。そして足を90度に曲げたままの姿勢で一度落ち着きましょう。この時に手の位置は30度ほど開いてリラックスさせておきます。この姿勢のことを「セットポジション」と呼びます。
そしてその姿勢からお尻をグッと突き上げます。足の膝とお腹が平行になるまでお腹を上げたところで一度停止します。しっかり呼吸しながら2秒間ほどキープしましょう。
そのままゆっくりと元の姿勢(セットポジション)に戻り、20回ほどこの動作を繰り返します。
トレーニングのコツ
ヒップリストはとてもシンプルなトレーニングですが、コツもいくつかあるのでご紹介します。一番のポイントは足の膝とお腹が平行になっている時に一度停止することです。実際に行ってみると、この時にもっとも筋肉に負荷がかかっていることが実感できるでしょう。
また他のトレーニングにも言えることですが、呼吸法も大事な要素です。きちんとした呼吸法で行うことでトレーニングの効果は2倍になります。
ヒップリストの呼吸法の基本は、お尻をあげる時にゆっくりと息を吐き出し、下ろす時に呼吸をゆっくりと吐き出してこれを繰り返します。
レッグカール
レッグカールは他のトレーニングとは異なり、マシンを使って行うトレーニングです。主にハムストリングを鍛えるために行います。ハムストリングだけを集中して鍛えることができるので、一箇所だけを集中的に鍛えたい人にとっては効率的なトレーニングと言えるでしょう。
トレーニングのやり方
前述のとおり、レッグカールを行うには専用のマシンが必要です。ジムに行けば間違いなく設置されているでしょう。マシンは高さを調整できるので、まずは自分の身長や体型に合うように位置を調整してから、寝転がります。
寝転がると、パットの部分にふくらはぎを当てましょう。マットの下にバーが設置してありますので、これを両手で掴んで上半身を安定させましょう。ここで深呼吸を行い気持ちの準備をするのも良いです。
次に素早くふとももでパットを持ち上げます。するとパットがふとももの裏に触れますので、今度はゆっくりと元に戻していきます。
目安としてだいたい一度に8回くらいで限界がくるような負荷をかけて行いましょう。
トレーニングのコツ
レッグカールはマシンを用いて行いますので、バーベルなどと同じく、負荷を調整することができます。8回を3セット行うことを前提に一番自分に合う負荷で行いましょう。
負荷を選ぶコツとしては最後の1〜2回がギリギリのところで持ち上げられるくらいが理想的です。
また、他のトレーニングと同様に呼吸をしっかりと意識して上半身は動かないように安定させましょう。持ち上げるときはかかとをお尻に当てるようなイメージで素早く上げ、ゆっくりとふくらはぎに負荷がかかっていることを意識しながら下ろしていきます。
ランニング
大腿二頭筋を鍛えるトレーニングの中で最も身近で、かつ取り組みやすいシンプルなトレーニング方法が「ランニング」でしょう。フルマラソンの選手はこの大腿二頭筋が非常に発達しています。それほど「走る」という動作は大腿二頭筋を使用しているということです。
ランニングは大腿二頭筋の他にも下半身全体や心肺機能を鍛えることができますが、「大腿二頭筋だけを鍛えたい」というときは。いつもよりも早く走ることを意識し、ランニングする際は幅を広げることによって、ワンポイントで鍛えられます。
大腿二頭筋は筋トレではなくストレッチも重要!
これは大腿二頭筋を鍛える時に限った話ではなく、筋トレや運動を行う際はストレッチがとても重要です。運動前と運動後に行うことで、筋肉をケアしたり、ケガを予防できたりします。
またトレーニング前に呼吸を整えたり、トレーニング後のクールダウンといった様々な効用があります。ここでは主に大腿二頭筋を鍛える時に効果的なストレッチ方をご紹介します。
椅子に座って行うストレッチ
ここでは椅子を用いてストレッチを行う方法をご紹介します。この方法を用いることで大腿二頭筋はもちろん、ハムストリング全体の筋肉をストレッチすることができます。ちなみにハムストリング筋群は全て股関節と膝関節の二関節筋です。このストレッチ法により、どちらも効果的にほぐしていくことが可能です。
ストレッチのやり方
椅子に座って行うストレッチのやり方をご紹介していきます。まずは座った時に腰の位置が膝の高さほどの椅子を用意してください。
次に軽く腰掛けてから、背筋をピーンと天井に向けて伸ばしていくイメージで頭からお尻までを一直線にします。その姿勢から片足だけを前に伸ばしてください。
この時に伸ばしていない逆の足の膝は軽く曲げた状態にしておきます。そして少しずつ体を前に傾けていきます。徐々に前に屈んで行って太ももの裏に刺激を感じたらそこで、20秒間姿勢をキープします。
この時、足の裏の筋肉がストレッチされていることを感じられるでしょう。
20秒数え終えると、ゆっくりと元の姿勢に戻します。逆の足も同じようにストレッチを行っていきます。
ストレッチのコツ
ストレッチのコツは、端的にまとめると以下の通りです。
● 呼吸
● 意識
● リラックス
● ゆっくり行う
● チーティングはしない
それぞれ解説していくと、ストレッチも筋トレと同じく呼吸が非常に大切です。大きく吸って大きく吐きます。また、伸びている箇所を感じながらストレッチを行うことも大切です。
前に体を傾けるときはつま先が上がらないように注意して、全身はリラックスさせます。背中を丸めると、効果がなくなったり、半減したりするので、姿勢にも意識をしましょう。
ちなみに「チーティング」とはスピードをつけて一気に行うことです。足の裏の筋肉に限ったことではありませんが、ストレッチはゆっくりと行う必要があります。徐々に筋肉を刺激して、静止する時間も作りましょう。
地べたに座って行うストレッチ
では次の紹介するストレッチは王道の「地べたに座って行う」ストレッチ方法です。
筋トレの前の柔軟の体操や、お風呂上がりのストレッチに非常に有効です。家でも手軽に行えることが特徴で、ストレッチマットなどがあれば硬い床の上でも簡単にストレッチができます。
どこでも行えるストレッチ方法なので、覚えておいて損はないでしょう。ではやり方とコツをご紹介していきます。
ストレッチのやり方
まずはストレッチマットの上など、座っても痛くない場所であぐらをかいて座りましょう。次に片足だけを前に伸ばします。その際に伸ばしていないもう片方の足は伸ばしている太ももの下に置いていきます。ちょうど空中をキックしているような姿勢になると思います。
そのまま、腰を前に突き出すようにして徐々に体重を前に傾けていきます。太ももの裏側がストレッチされているのを感じることができるはずです。
痛みを感じることがない場所まで、上体を前に傾けたらギリギリのところで20秒間その姿勢をキープします。
ゆっくり呼吸を整えながら、元の姿勢に戻してもう片方の足も同様にストレッチしていきます。
回数の目安は片足交互に2回ずつです。
ストレッチのコツ
このストレッチのコツは椅子に座って行うストレッチを同様に呼吸を整えて、伸びている箇所に意識を集中しながらゆっくり行うことです。筋トレ同じことが言えますが、今刺激している部位をしっかりと感じながら、動作を行うことで効果は倍増します。
また地べたに座って行うストレッチの場合、上体を前に傾けていく時に腰から前に傾けていくようにしましょう。腰から前に傾けていくことでより効果的な筋肉のストレッチになります。
その他、前に伸ばしていくときは両手もしっかりと前に伸ばしていきましょう。慣れてきたら内側、中央、外側の3方向にストレッチをしていくともっとハムストリング全体を刺激することができます。ちなみに内側、中央、外側と10秒ずつストレッチを行っていくことがコツです。
まとめ
大腿二頭筋について基礎知識から役割、自重トレーニングとマシンを使ったトレーニングの種類とやり方やコツ、ストレッチ方法まで幅広くご紹介してきました。いかがでしたでしょうか。
大腿二頭筋は太ももの裏側のハムストリングの中でも中心部分の筋肉です。ここを鍛えることで走力アップはもちろん、下半身が安定することで姿勢がよくなったり、筋肉量が増えて代謝がよくなり、太りにくい体になれます。
筋トレ初心者でも比較的鍛えやすい箇所ですので、まずは大腿二頭筋から鍛え始めるのも良いでしょう。太ももが鍛えられれば、体全体も締まった印象を与えられます。この機会にぜひあなたも大腿二頭筋のトレーニングを初めてみてはいかがでしょうか。
おすすめのパーソナルトレーニングジム情報や腹筋や背筋などのトレーニングの情報から糖質やカロリーなどの栄養素に関する情報、筋肉の部位の特徴の説明までまとめています。