懸垂で回数をこなせるようになって効率的にトレーニングしよう!

メジャーな動きの割りに、1回もできない人も多い懸垂。自衛隊員は最低8回はできると言われていますが、平均回数はどのくらいなのでしょうか。1回しかできなくても問題ないのでしょうか。

この記事では年齢別、体重別の平均回数や懸垂回数が増えると得られる効果から実際に懸垂回数を増やすための段階別トレーニングをご紹介しています。

1ヶ月トレーニングをするだけでも懸垂の回数は増えますので、挑戦してみてください。

懸垂の平均回数を年齢別・体重別に解説

懸垂の平均回数はどのくらいか気になります。ここでは年齢別、体重別で平均回数を示しています。

年齢別懸垂平均回数

成人男性だと8回以上懸垂できます。

 

年齢 平均回数
13~18歳 3~8回
成人(普通) 8回以上
成人(筋力がある人) 13~17回

体重別懸垂平均値

 

体重 筋トレ歴なし 筋トレ歴1ヶ月 筋トレ歴6ヶ月 筋トレ歴2年 筋トレ歴5~年
50~55kg 1回 6回 15回 27回 40回
56~60kg 1回 6回 15回 26回 38回
61~65kg 1回 7回 15回 26回 37回
66~70kg 1回 7回 15回 25回 36回
71~75kg 1回 7回 14回 24回 35回
76~80kg 1回 7回 14回 24回 33回
81~85kg 1回 6回 14回 23回 32回
86~90kg 1回 6回 13回 22回 31回
91~95kg 1回 6回 13回 21回 30回
96~100kg 1回 6回 12回 20回 29回

体重は軽い方が懸垂の平均回数が多いです。筋トレ歴が長いほうが体重別の懸垂回数に開きがあることから、筋力がある程度あれば支える体重が軽い方が回数は増えるといえます。

全く筋トレをしない人の懸垂平均回数

全く筋トレをしない人は体重に関係なく1回が平均です。ところが1ヶ月でも筋トレをしていると6~7回と飛躍的に増えています。

懸垂ができるには、そもそもある程度の筋力があることが前提という推測ができます。

懸垂の回数を増やすためには

懸垂回数を増やすためには対象の筋肉を1ヶ月鍛えると良いでしょう。懸垂に使われる筋肉は広背筋、僧帽筋下部、大円筋、上腕二頭筋などです。

懸垂の回数を増やすために体重を減らす必要はない

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筋トレ歴2年の人だと体重50kgの人と体重100kgの人で懸垂回数が7回も変わってきます。懸垂は体重が軽い方が回数は増えるのです。

では、体重を減らせばよいかというとその必要はありません。むやみに体重を減らすと筋肉まで落ちてしまって本末転倒。

体重を減らすよりは筋肉を増やすのが得策です。筋力があれば体重を支える力が大きくなるためです。

もしメタボ体型でBMIも平均以上ならば減らすのも有効です。自分の筋力以上に体が重いと正しいフォームで懸垂が行えなえません。

効率的にトレーニングができませんし、ケガにも繋がるのでまず、標準的な体型に近づけてから正しいフォームでトレーニングを行うと筋力アップに効果的です。

懸垂の回数が増えると得られる効果

懸垂の回数が増えると、嬉しい効果が5つあります。

① 筋力アップ

懸垂は背中や胸、腕、肩と沢山の筋肉が使われるので、懸垂の回数が増えると多くの種類の筋力がアップします。使える筋肉が多いと他の筋トレにも良い影響があるので、嬉しい効果です。

②基礎代謝アップ

全背中の筋肉は面積が大きいので狙って育てると、全体の筋肉量が増えます。体の筋肉量が増えると基礎代謝もアップするのです。
また懸垂は、体幹も鍛えられます。体幹はたくさんの筋肉がありますから基礎代謝が上がります。基礎代謝が上がれば、寝ているだけで消費するカロリーが増えます。

③ 姿勢の改善

猫背の人は腹筋と背筋のバランスが悪いです。
腹筋や背筋の力が弱いため上体を支えられず丸まっています。そこで、背中側の筋肉を鍛えると姿勢の改善に繋がるのです。
また懸垂は背筋だけではなく体幹も強くなります。体幹がしっかりしていると、お腹でも上体を支えられるため猫背にはなりにくいです。

④ 肩こりの改善

多くの人が悩まされる肩こりの原因の1つは筋肉が動かされないことです。たとえばデスクワークの人は同じ姿勢でパソコンと向かい続けるので肩の可動域が狭くなっています。
懸垂は肩こりと関係性のある僧帽筋も動かすので、改善にも繋がります。

⑤薄着でも自慢できる体になる

肩が広くて腰が引き締まった、逆三角形の体はとても魅力的。肩で着るスーツはもちろん、Tシャツ1枚でも様になります。逆三角形体型に欠かせないのが、背中の大きな筋肉です。

懸垂のできる回数が増えるトレーニング方法

懸垂の回数を増やすためのトレーニングを紹介します。懸垂はできない人がいるくらい難しい種目ですから、正しいフォームで対象の筋肉を鍛えて回数を増やしていきましょう。

懸垂のNGなやり方

  • 可動域を広くとっていない
  • 反動を使っている
  • 限界までやっていない

可動域については、自重トレーニングは可動域を大きく使うことで筋肉を大きくします。

器具を使えば負荷はあがりますが、可動域はどうしても狭くなります。自分の体重を負荷とするトレーニングは器具を使うときよりも可動域を大きくする必要があるのです。

懸垂でいえば、両手を伸ばし切っていない、体を限界まであげていないというケースがあります。

伸張・収縮させ切らないと効果が減ってしまうのです。筋力がないうちは仕方がないですが、1ヶ月以上トレーニングして筋力がついてきているならばもったいないです。

反動を使ってしまうと効果が減ってしてしまいます。ターゲットの筋肉以外を使って動作をおこなうためです。

懸垂ができない人が、感覚を掴むために反動を使うのは悪くありませんが。反動を使う癖がついてしまうと、トレーニング効率がさがるのではじめから反動は使わないほうが良いでしょう。

そして限界まで追い込むことは、どの筋トレにも共通します。限界を超えないと筋力は伸びません。

体が持ち上がらないならアイソメトリックホールドで限界時の姿勢を保つことをおすすめします。

以下で懸垂のやりかたを紹介しますので、NGなやり方はしないように意識しましょう。

①チンアップ

バーを逆手で握ってあごをバーに近づける懸垂です。

チンアップのやりかた

  1. 鉄棒の前に立つ
  2. 肩幅より拳1つ広めに、手の平を自分の方に向けて鉄棒を握る
  3. 背中の力で体を引き上げる
  4. あごをバーに近づける
  5. ゆっくり体をおろす

チンアップがきない人は斜め懸垂

チンアップをするには筋力が足りない人は斜め懸垂がおすすめです。胸の位置くらいのバーにつかまって体は一直線にして胸をバーに近づけます。胸より下になるほど負荷は上がります。

チンアップができない人は壁懸垂

斜め懸垂もできない人におすすめなのが壁懸垂です。

肩幅くらいの柱を左右均等につかんで背中と胸の力で柱に体を引き寄せる動作です。

理想は肩幅ですが、肩幅より狭くてもよいので例えば風呂場の壁などで手軽に行えます。楽に行えますが背中に効いてることが分かります。

②プルアップ

バーを順手で握ってあごをバーに近づける懸垂です。広背筋と僧帽筋下部に効きます。

プルアップのやりかた

  1. 鉄棒の前に立つ
  2. 肩幅より拳1つ広めに、手の甲を自分の方に向けて鉄棒を握る
  3. 背中の力で体を引き上げる
  4. あごをバーに近づける
  5. ゆっくり体をおろす

④グリップ幅を変えて

握る幅を変えると使われる筋肉も変わってくる

ワイドグリップチンニング

肩幅より広くバーをにぎることにより背筋上部と中部に効きます。

ナローグリップチンニング

前腕や上腕二頭筋に効きます。

1回のトレーニングでグリップ幅を使い分ける

手幅によって、同じ懸垂でも使われる筋肉が違うために数を多くこなすことができます。

同じ筋肉を使いますが、使う割合が違うため1つの手幅で限界がきても、他の手幅で行うと疲労が限界に達していない他の筋肉を使えます。

ナローグリップチンニングだけなら5回で限界を迎えても、ワイドグリップチンニングで5回、肩幅でのチンニングで5回で計15回もできるということです。

③L字懸垂

脚をあげてL字になる懸垂です。上級者向けのトレーニングになります。

L字懸垂のやりかた

  1. 鉄棒の前に立つ
  2. 肩幅より拳1つ広めに、鉄棒を握る
  3. ぶら下がった状態で体をL字に曲げる
  4. L字をキープしたまま、背中の力で体を引き上げる
  5. あごをバーに近づける
  6. ゆっくり体をおろす

⑤アイソメトリックホールド

限界を迎えたと思っても、実は人間まだ動けるものです。

懸垂で言えばもう体は持ち上がらなくても、限界の状態でキープすることやゆっくり時間をかけて体をおろすことはできます。

限界で動きをキープすることで長い時間負荷を掛けられます。もう上がらないときは、あげなくて良いのです。ただ体勢を保つことで、筋肉を追い込むことができます。

懸垂の回数を増やすためには食事も大切にする

筋肉を動かしたあとは、栄養、睡眠が欠かせません。
懸垂の回数を増やすことに限った話ではないですが、せっかく限界まで追い込んだからには筋肉の回復のためにもたんぱく質をしっかりと摂っておきます。
食事によって筋肉は成長するので、たんぱく質と糖質の摂取を忘れないようにしておきましょう。

まとめ

懸垂が1回しかできなくてもまったく問題ありません。トレーニングによって回数が増える可能性が高いからです。対象の筋肉である広背筋、僧帽筋下部、大円筋、上腕二頭筋を1ヶ月鍛えてみましょう。

懸垂の回数が増えると筋力アップの他にも、姿勢の改善やスタイルアップが見込めます。段階を踏んだトレーニングで懸垂の回数を増やしてブラッシュアップされた体を手に入れてください。